真心クッキーズのブログ

10歳の女の子が本気でお店を開く道のり

第五話【突きつけられる現実の未来】

まだ、名刺入れほどしか

作ったことがない奴が


そうやって知人に営業して

数件注文を取っていった。

 

材料費は前金で頂いているので
まかなえる。


知人ゆえに信用して注文してもらっているので
今度は私がしっかり製作しなくてはならない。


受注してもらった物は、次の通り

・財布
・キーケース
・バッグ
・レッグポーチ


何度も言うが


名刺入れほどしか作ったことのない奴が

財布と言うステップアップなら、まだしも

バッグ類を平然と受注してきた。

 

できるだろうか?

 

そうは、一切思わなかった。

 

【何とかする】

 

それだけだった。

 


もちろん、バッグなんて作り方が全くわからない。

 

ショッピングモールの婦人バッグのコーナーに

数日通い、手にとって舐めまわすように

ガン見していた。


店員から

『贈り物ですか?』

 

『そうですね。』


それ以外全く 言葉を発さない私。


バッグを開けて中身を見て


想像する。

 

昔から分解が好きな事と

絵を書く事が好きだった私は

 

構造が 透けて見える と言ったら
大げさだろうが


立体的にイメージして

頭の中で作っていく想像が既に鍛えられていたのかもしれない。

 

自分が出来そうな技術を使って

パーツを考える。


縫い代、遊びの余裕

どこから、縫っていくか

パーツを作る順番


全て、想像していく。

 

他の人から見たら、その間

バッグ開けたままピクリとも動かない私を

相当、不審に思ったと思います。


そして、自宅に帰り


型紙を設計

 

 

ここで、最初に失敗して買った

床革の最大活用

 


床革で試作すると革のコストが

10分の1くらいに抑えられて

実際に立体に組めるので、修正点がよく分かる。

 


簡単に書いてるが、実際

想像と現実は違うし、考えが至らなかったところなど

多々あり、何度も失敗して型紙を設計し直して

床革で作り直しして


やっと、当時の自分が納得できる納品になったわけだが


レザークラフトした事がある方には

分かってもらえると思いますが

 

すごい時間を費やした。

確か、このバッグで納品に至るまで

丸2週間はかかったと思います。

 

しかし、この  失敗の繰り返し  の経験が

 

次に必ずつながるのです。

 

想像力がもっと明確に正確になったいき

型紙を作る計算も変わっていきます。

 

こんなやり方、無謀だと思いますか?

 

 

私は、無謀だと思います。

 

出来るか出来ないかわからない受注を受けて
お客様に迷惑をかけるかも…


全くその通りです。


でも、人は責任を感じたとき


誰かのためにしてあげなきゃいけない時


【責任感】と言うのは


実に、力を最大限に引き出してくれるものです。


自分からあえてプレッシャーの中に

飛び込んでいくと言うものは

 


すごく勇気のいることです。

 

その勇気を出した時、今までにない成長をする事ができる。


この事にだけに限らず、それは生きていく中で

全てに共通している事だと、私は思います。

 


そういう過程を繰り返し

受けた受注を製作し


写真を撮ってカタログ作りに活用しながら

納品を繰り返した。

 

始めて納品する時に手が震える

自分では納得していても

注文してくれた人にはわからない…


表情を見るのが怖い。


まるで、自分を丸裸にして差し出しているようだ。

それを、否定されると

何だか全てに自信を失いそうなくらい怖い。


美容師の方もこんな気持ちになるだろう、とか思う。

目の前で髪を切っていき、お客様はじっと自分の技術を見ている。


完成です!の瞬間が、どんな想いか痛いほどわかる。


そんな想いの中、作品を目の前に出す。

 


ご注文者の笑顔がほころぶ

 


これほど、嬉しい事はない。

 

これは今現在でもそうだ。


納品時には緊張するし、笑顔をもらうと

本当に良かったとこっちも笑顔がこぼれる。

 

これは、いつまでも変わらないだろう。

 

まだ、当時ど素人の私でも人を笑顔にできる。

なんて誇りある仕事なんだと思った。


当たり前だが職人から言わせれば笑われるような技術であろう。

でもお金を貰っている以上プロ意識をもつべきなのです。

 

追求に終点はないし、自信を持たなければいけない。


この時の私でも信頼していただき前払いで

ご注文をしてくれた知人の方に笑顔を与えることが出来た喜び


とても、やりがいがあり

今までやってきた仕事の中でも

一番の充実感を感じた。

 

これを本当に本業にしよう。


腹を決めた。

 


そして、嫁に打ち明ける

自分がやりたいこと

 


もちろん生活はどん底の中

確実な保証のない仕事

エスと言うわけがない。

 

『じゃあ、知人とかに営業して
 知人全部に行ったら次はどうなるわけ?
 知人ってどれくらい?何百人もいるの?』

 
 
『そんなにいないけど、知人に誰か紹介してもらって営業してたら
 クチコミとかで仕事来ないかな?』
 
 
 
 
自分で言ってて計画してるようで計画性のなさにあきれる。

 


『考えが甘すぎる』

 

 

全くその通り!


だけど、もう、これやりたいと思ったら、止まらない気持ち

 

現実を突きつけられると未来の見えない仕事

 


でも、やりたい

 


上手くいく気がしてならない。

 


でも、現実は甘くない

 


だったら、嫁も、もう一度私自身も

納得するしかこの道は開けない!

 

 


そして、また無鉄砲な私は

ある行動に出る。


>>第六話【点火】に続く…

 

>>いや、一話から読む!